自己紹介

ワシントンDC開発フォーラムでは、DC在住で開発に興味を持つ若手プロフェッショナル、大学院生同士の意見交換・交流を深めるためのワークショップを開催しています。 従来のBBL(ブラウンバッグランチ)が専門家を招いてランチの時間を利用して討議をするのに対し、ワークショップでは20代・30代を中心とした若手に平日の夜を利用して発表の場を提供し、自由活発に議論を交わし、そして何らかの行動に結び付けていくことが狙いです。 参加希望・お問い合わせはdev.forum.workshop@gmail.comまで。

2011年12月12日月曜日

移転します

DC開発フォーラムの活動をさらに活発なものにさせるべく、DC開発フォーラム・ワークショップブログを以下のものに移転させる事にしました→http://dcdevforum.blog.fc2.com/

今後ともDC開発フォーラムをよろしくお願いします。

2011年11月16日水曜日

第6回(2011/11/10):ラテンアメリカにおけるマイクロファイナンス―現状及びIDB/MIFの果たす役割

ワシントンDC開発フォーラムでは、1110()に、第6回ワークショップを世界銀行の会議室で開催し、40名以上が参加しました。

今回は米州開発銀行(IDB: Inter-American Development Bank)の多数国間投資基金(MIF: Multilateral Investment Fund)で投資担当官としてマイクロファイナンス機関やファンドへの投融資などに携わっている成田哲朗さんをスピーカーとして迎えました。

前半、成田さんは主にラテンアメリカにおけるマイクロファイナンスの状況を、具体的なデータと共に説明しました。ラテンアメリカでは2010年末現在、675のマイクロファイナンス機関が約1250万人に総額約152USドルの貸し出しを行っています。また、675の機関のうち約30%は金融当局による規制監督の下にあります。しかし、一口にラテンアメリカと言っても、国によってマイクロファイナンス機関から借入れを受けている中小零細事業主の割合や利子率などに大きなバラつきがあり、マイクロファイナンス市場の成熟度合いが国ごとに異なっている事が特徴です。今回挙げられたデータのいくつかは、Global Microscope on the Microfinance Business Environment 2011(http://www5.iadb.org/mif/KnowledgeExchange/LACdata/tabid/364/language/en-US/Default.aspx)で検索できます。

後半、成田さんは昨今の金融危機がマイクロファイナンスに与えた影響と、MIFがラテンアメリカにおけるマイクロファイナンスに対して果たしている役割について説明しました。MIFはこれまでに約200のマイクロファイナンス機関に総額3USドルの支援をしました。MIFはマイクロファイナンス機関が、金融当局による規制監督下にある金融機関になるよう、適切な規制監督体制の確立に向けた支援のほか、個別案件レベルでは、マイクロファイナンス機関の株主になってガバナンスの改善に貢献したり、技術協力を行ったり、緊急支援や現地通貨建てでマイクロファイナンス機関に貸付を行うのマイクロファイナンス・ファンドを設立するなど、多様な支援の形を取っています。

質疑応答では、先進国におけるマイクロファイナンスの状況・マイクロファイナンスにおける規模の経済の存在・マイクロファイナンスの金利の高さなどについて活発な議論が行われました。ワークショップ終了後には、世界銀行近くのレストランにて立食形式の懇親会を行いました。懇親会には30名以上が引き続き参加し、活発な議論や意見交換が続きました。

DC開発フォーラムでは、この冬もワークショップやBBLなどを開催する予定です。今後ともDC開発フォーラムをよろしくお願いします。

2011年9月20日火曜日

東京国際大学 Field Study(2011/9/11)

東京国際大学の3年生を中心とする大学生9名と引率の先生2名が、2011年度Global Studies ProgramField StudyⅡの一環としてワシントンDCを訪問され、DC開発フォーラムから山中と畠山が参加してインフォメーションセッションを行いました。


東京国際大学のGlobal Studies Programでは12年次に開発の現場としてモンゴルをはじめとする途上国のフィールドを体験した後、34年次にニューヨークやワシントンDCなどの国際機関の本部を訪問しています。

セッションでは、まず各自の興味関心やキャリアの背景などを簡潔に自己紹介した後、山中がDC開発フォーラムの背景・組織形態・活動について紹介し、畠山が最近のBBLとワークショップ活動について紹介しました。

Q&Aセッションでは、DC開発フォーラムの活動に関する質問に加え、キャリアに関する質問、参加者の興味・関心及びField Studyのために事前に調査されてきた開発イシューに関する活発な議論も行われました。
今後もこのような機会を設けていければと考えています。
 

2011年6月7日火曜日

第5回(2011/06/06): アジア新興ドナーの台頭と日本援助の未来

ワシントンDC開発フォーラムでは、第5回ワークショップを世界銀行の会議室で6月6日(月)に行いました。約25名の方にご参加いただきました。


ここ数年、新興ドナーをめぐる議論が開発援助の業界で活発化しています。しかし、現場の実態に基づかない憶測に立脚するために、主に中国を対象とした過剰な「脅威論」も少なくありません。

今回のワークショップでは、東京大学東洋文化研究所准教授/プリンストン大学フェローの佐藤仁さんとアジア経済研究所海外調査員の佐藤寛さんをプレゼンターに迎え、被援助国の視点からみた新興ドナーのあり方について、問題提起をしていただきました。

前半は、佐藤仁さんに、JICA研究所で行った調査のハイライトを紹介していただきました。その調査は、「被援助国の視点からみた新興ドナー」というテーマで、カンボジアをフィールドに中国、韓国、タイ、インドなどの援助を検証したものです。
調査結果の全貌については、“Emerging Donors” from a Recipient Perspective: An Institutional Analysis of Foreign Aid in Cambodia”というタイトルで雑誌 World Development に掲載されています。

プレゼンの冒頭では、ある新興ドナーを批判した文章の穴埋めクイズで、どの国が批判されているのかを当てるクイズがありました。皆さんの予想はどこの国ですか?



ほとんどの参加者が「中国」と予想したのですが、本当の答えは「日本」。日本もかつて経済成長に伴い援助される側からする側に移行する時期、西側諸国の批判を浴びた経緯があったのです。この歴史は、今日本が中国等の新興ドナーのやり方についてどういったスタンスを取るべきなのか、興味深い示唆を与えてくれます(クイズの出典はODI(1964)『日本の援助』(外務省訳))。

佐藤仁さんの発表の中では、カンボジアなどの被援助国から見た際に、ドナーの選択肢が以前よりも増えたことは、被援助国側の交渉力の向上に資するのではないか、という点が強調されました。ただし、それが必ずしも途上国の国民や貧困層の便益に繋がっているかどうかは疑問で、それに答えるためには更なる研究が必要なようです。


後半は、佐藤寛さんがイギリスでの議論を踏まえ、中国の台頭を契機とした援助業界「主流派」の自信喪失とアフリカなど受け手側の戸惑いをどう考えるべきかを問題提起してくださいました。また、開発援助における新たなプレーヤーとしての民間セクターも、BOPビジネスなどを通じて資金源の多様化を進める存在としてクローズアップされました。

活発な議論は懇親会場に移ってからも盛り上がり、立食形式でネットワーキング・意見交換に花が咲きました。
ワシントンDC開発フォーラムは夏もBBLを中心に続けていきますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

2011年5月5日木曜日

DC開発フォーラム懇親会(2011/05/02)

5月2日ワシントンDCにて、途上国の開発支援に関わる方を広く対象に、ワシントンDC開発フォーラム懇親を開催しました。

定期的に開催しているBBLやワークショップに参加して頂いている方をはじめ、今回がDC開発フォーラムへの初めての参加となる方を含めて、総勢30名の方にご参加頂きました。


BBL・ワークショップでの議論、メーリングリストでの情報のやりとりやその他、様々な形でDC開発フォーラムに関わる人たちが、実際に顔を合わせて交流を深めることは、大変有意義なことだと思っております。今回の懇親が、年齢・経験・所属を問わず、ワシントンDCで国際協力に取り組む人たちの意見交換と親睦の場となったならば幸いです。


今後ともワシントンDC開発フォーラムをどうぞ宜しくお願いいたします。